愚者の皮│あらすじ&感想〜やっぱり人は見た目が重要?〜※ネタバレあり

      2016/04/27

愚者の皮

作品情報

作品名:愚者の皮

巻数:全2巻(完結)

著者:草野誼

出版社:ぶんか社

掲載紙:本当にあった主婦の体験

 

あらすじ

幸福と不幸を分かつものは、ただひと張の薄皮のみである――。愛する夫・英馬のために日々を過ごしてきた妻・あよ。容姿端麗で心の優しいあよは、英馬の自慢の妻だった。しかし、そんな円満夫婦の元に起こる突然の不幸……。交通事故で命は助かったものの、美しい顔に傷を負ったあよ。夫のため、整形手術を受ける事にしたのだが――?夫婦の愛の形。人間の神髄に眠る本当の美しさ、醜さとは――!?究極の人間ドラマがいま始まる――!

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「愚者の皮」の感想

※ネタバレが含まれています

 

シンデレラは果たして幸せだったのか?

美しさは本当に幸せをもたらすのか?

 

貧乏だけれど美しかった女の子が、王子様のような男と結婚して幸せに暮らすが、美貌を失った途端に不幸の連鎖が訪れるという、シンデレラが不幸になって復活するまでを描く、どんでん返しにつぐどんでん返しの物語。

 

美しさを取り戻すために行った整形手術で、さらに醜くなっていく妻とその夫。

醜くなってしまった妻と即離婚した夫に、かわいさ余って憎さ百倍と妻は夫をどこまでも追い回します。

 

その追い回し方が本当に異常なんですが、途中『もしかするとこの主人公、元旦那を追い回すの楽しくなってない?』と感じるようになってきます。

シンデレラだったころの妻は夫に従順だったはずなのに、何もかも失った後ではすでに化け物…

 

ヘルパーをしていたころに知り合ったお婆さんが死んだことを知って、遺品としてもらった枕から出てきたお金で、彼女はさらに復讐に目覚めていくことになる。

前半のこの追いかけっこは、悲壮というより面白さがあるんですが、途中主人公がある尼寺に行くところから話は変わっていく。

彼女はそこで傷ついて復活した尼たちに出会い、そして自分の中の醜さを理解していくんです。

 

不幸は自分だけではない。

だが、不幸を知った人間の優しさはどこから来るのか。

 

主人公はここで初めて、男をむやみに追いかけることの空しさを知ることになります。

そして今の自分の醜さの根源である「毒素」を取るための修行を行うことに。

『手術で顔に異物を入れて醜くなったんだから、再手術でしかそんなもの取れないだろう』という声が聞こえてきそうですが、毒素というのは顔だけでなく、心にも宿るものなのです。

 

主人公はその毒素を取る修行に耐えるものの、なぜか途中でそれを中断し、そしてまた元夫と会うために、自分の未来のために寺を去ります。

多額の謝礼をお寺に残して。

 

主人公はその後、お婆さんからもらったお金を使って事業へ融資していたおかげで、たくさんのお金を持つようになり、シンデレラ時代の男に食べさせてもらう女から、自活できる女へと生まれ変わります。

 

彼女が自信をつけ、男を不用意に追うことをやめたとき、男は彼女のことを醜くなって以来、初めてまともに見ることができるようになる。

一人の女として。

美貌が失われても自信に満ち、輝いた顔をしている元妻に。

 

そして彼は、もう一度一緒になってほしいと懇願するのです。

 

「愚者の皮」は美しさとは何か?

人は何をもって幸せになれるのか?といったものを問いかけてくれる。

『どのような闇にも希望は見えてくるのだ』と思わさせてくれる作品です。

ライター:となりのこぱんか(40代女性)

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