バースディプレゼント│あらすじ&感想〜しばらくはこの恐怖から抜け出せない〜
2016/04/27
作品情報
作品名:バースディプレゼント
巻数:全1巻(完結)
著者:宮脇明子
あらすじ
掃除当番をしている時、同じ班で長期入院をしている甲田彩華(こうだ・あやか)の話題になり、彼女が長くないと知らされた中学3年生の植田穂波(うえだ・ほなみ)。そして班の皆と一緒に彩華の見舞いへ行った穂波達は、9月29日が彩華の誕生日だと知ってバースディプレゼントは何がいいかと尋ねる。その時、彩華は恐ろしい事を言い出して……!?
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「バースディプレゼント」の感想
中学生のある数日間だけ同じグループになった7人。でもそのうちの一人がすぐ入院してしまい、軽い気持ちでみんなでお見舞いに行ったせいで運命が変わる…
宮脇明子の作品らしいオカルト作品です。
しかし実際起きている内容は血みどろな描写が何度も出てくるわけではないし、起きている内容もそんなすごく怖いことではない。でもなんだか怖い。背筋がゾーっとして後ろに誰かがいるような気がする。
そんな作品です。
中学生っていい意味でも悪い意味でも中学校という「学校」が全てで、その中だけで人生のすべてが決まると思いがち。
そんな世界の中、現実を受け入れられなくて現実世界を捻じ曲げようと仲間に罠を仕掛ける人間もいれば、その世界をよりよく出来ると信じている人間もいる。
そして違う世界から見ているものも…
結局どこまでがアヤカの力だったんだろう。
気のせいだと片付ければそれまでだけれど、すべてが少しずつアヤカの手によって導かれたもののような気がして仕方ない。
中学生の世界にアヤカの存在は大きすぎて恐怖すぎて、そのせいでそう思ってしまうだけかもしれないけど。
私の見た世界は穂波が見た世界なのだから。
これを読んで、しばらくはこの恐怖からなかなか抜け出せなかった。とくに表紙が怖すぎる。
ライター:momo(30代女性)
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