ゴッドハンド輝│あらすじ&感想〜医療の光の部分を強く描いた漫画〜
2018/03/29
作品情報
作品名:ゴッドハンド輝
巻数:全62巻(完結)
著者:山本航暉
出版社:講談社
掲載紙:週刊少年マガジン
あらすじ
“神の手”が輝く瞬間、奇跡が起きる!!オレは運命をねじ伏せたい……!!このオレの手で……!!生命の重さに震えながらも、必死に立ち向かう新人外科医、真東輝(まひがし・てる)=テル!!その熱意が“運命”をも揺り動かす!?大感動+ドクター成長物語。
>> ゴッドハンド輝│試し読みはコチラから(eBookJapan)
「ゴッドハンド輝」の感想
医療マンガなのですが、こんな病院も医者もまず存在しないんだろうなぁと思いました。まさしく理想の病院!医者!って感じ。
ゴッドハンドばかりが集う病院、主人公は1人の患者さんも死なせたことがない、など、設定的には空想の中でしかありえない要素が満載です。
でも、だからこそ『あぁ。こんな病院があったらいいなぁ』とか、『こんなお医者さんになりたい』とか思わせてくれるマンガだと思います。
実際にこのマンガを見て看護師になった友達もいるくらい医療職に憧れさせてくれるマンガで、医療の光の部分を強く描いたマンガだといえますね。
設定は理想だけども、マンガの中に出てくる病気のことや手術のこと、医療制度のことなんかはしっかりと取材されていてリアリティあるものになっていますし、医療モノという事で人間ドラマも多く描かれており、先輩医師や同僚医師との人間関係の変化や、徐々にチームとして上手く機能していく過程など楽しめます。
お約束のナースとの恋愛要素もありますが、こちらはストーリーの箸休め位の位置関係にあり、個人的には医療マンガにはこの位の要素で十分かなと思いました。
医者やナースなど医療関係の仕事を目指すのであれば、ぜひ一度読んで欲しい作品です。
ライター:パステル(30代女性)
>> ゴッドハンド輝│試し読みはコチラから(eBookJapan)
ドラマ版「ゴッドハンド輝」
- 放送:2009年4月11日〜2009年5月16日
- 主演:平岡祐太
- 話数:全6話
ドラマ版「ゴッドハンド輝」の感想
漫画の映像化に失敗する作品は多く、成功するほうが難しいくらいなんですが、この作品もあまり上手くはいってなかったです。
医療系のドラマは生死を扱ったシリアスなエピソードが多いので、現実に即したリアリティがないと説得力が生まれません。
今作は漫画を原作にしているため、主人公である輝がオペ中に眠っていた才能を発揮させるシーンなど、まるで特撮ヒーローの変身シーンのように奇妙な演出をしています。
原作へのリスペクトが悪い方向へ出ているんです。
デフォルメされた漫画キャラを盛り上げるために有効な原作の演出を実写で再現しても、ドラマとして見たときにチープな印象を受けるだけでした。
ドラマ化をするにあたって、切り捨てるべきところは原作ファンが怒ろうが切り捨てるべきだったかなと。
エピソードを詰め込みすぎて話が整理されておらず見にくいのもそうですが、原作をリスペクトして活かそうという姿勢が、とにかく裏目にでていたように思えます。
全6話という短いなかにできるだけ原作の大事な要素を入れたかったんでしょうが、面白いドラマを作ることを優先して、いらないものは捨てるべきでした。
映画的な漫画というのは、そのまま映像に置き換えても成立しやすいのかもしれませんが、本作のような場合は現実感を保てる範囲でどれくらい原作を利用するかの取捨選択が大切だと思います。
しかし脇をかためる登場人物は魅力的なキャラクターが多くて、出番は少ないですが主人公の父親を演じた寺脇さんや、悪役ぶりがぴったりはまってる院長役の渡部さん、主人公のライバルを演じた別所さんなどは見応えのある演技をしていました。
しかし、肝心の主人公を演じた平岡さんは、漫画特有の現実味のないセリフに説得力をもたせるまでの演技には至らず、主人公に感情移入することは難しかったです。
ライター:YUKIYA(30代男性)