ヒメゴト~十九歳の制服~│あらすじ&感想〜人には言えない秘密とコンプレックス〜
2016/05/22
作品情報
作品名:ヒメゴト~十九歳の制服~
巻数:全8巻(完結)
著者:峰浪りょう
出版社:小学館
掲載紙:ビッグコミックスモバMAN
あらすじ
周囲から男っぽく見られている女子大生・由樹(ユキ)。彼女は誰にも言えない秘密の儀式を行っていた――。燻り続ける己の欲望に苦悩する日々を送る由樹。一方、同じ大学に通う佳人(カイト)と未果子(ミカコ)の2人も他人には明かせぬ「秘密」を抱えていて――。「ヒメゴト」を持つ3人の19歳が繰り広げる「ヨクボウ」と「セイフク」の物語――。
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「ヒメゴト~十九歳の制服~」の感想
19歳の大学に通う男女3人の物語です。
3人とも人には言えない秘密とコンプレックスがあるんですが、そのコンプレックスを一時的に解消してくれるのが「制服」で、3人の人間関係・性・コンプレックスが深く交差していきます。
主な登場人物の3人は由樹(ゆき)・未果子(みかこ)・佳人(かいと)。
由樹は物心ついて以来、男っぽい振る舞いをしてきてしまったせいか、19歳となり女の子・女性としてどうあるべきかに悩みます。
未果子は自分が少女として完成されているというステータスを自覚しつつ、19歳を迎え少女ではいられなくなることに、焦りを感じるようになります。
佳人は女装が趣味であり、女になりたいという欲望がありながら、19歳である自分の肉体と性には限界があることを苦しみます。
3人と同じような悩みを持っている人は、自分の周りでも多いのではないでしょうか?
由樹のように男勝りでスカートを穿かない女性だったり、未果子のように絶対的な可愛さを武器にして男性をうまく操る女性だったり、佳人のように体は男性だけど心は女性なので普段から女性服を着ていたり・・・。
もちろん私も由樹に近い部分があります。
女だけどヘアースタイルもショートヘアーで男性ばかりが多い環境に長年いたせいか、男性が好むよな趣味や男性的な思考を持っているため、『ピンクの洋服はなんて絶対に着ない!』と思ってはいるものの、『女の子らしく見えるにはどうしたらよいのだろう?』と悩んだことがありました。
『こういう悩みの延長戦にあるのが由樹なんだなぁ』と読んでいるうちに感じるようになり、読み続けるうちに不思議と由樹に感情移入してしまいました。
未果子・佳人と同じような悩みを持っている人も必ず共感・感情移入してしまう部分があると思います。
コンプレックスのことばかり書いてありますが、この3人は三角関係でもあるんです。
3人それぞれ一方的に片思いをしてしまうですが、相手の好きな人を知っていて、そこでコンプレックスに邪魔されて悩んでしまいます。
昼ドラみたいな泥沼で憎悪感がたっぷりな三角関係ではなく、見ていて切なくて苦悩してしまう三角関係です。
重い悩みがテーマであるものの、各山場での3人の心情がちゃんと描写されていて、すぐに全巻読み終えてしまいます。
最終的には3人ともコンプレックスから解消されてよかったなぁと思いました。
作品としては青年漫画なので性描写がとても多いです。外で読むには少し抵抗がある気もします。
でも不思議といやらしいとは思いませんでした。
性描写中でも、彼ら3人の苦悩や心情が詳しく描かれているからかもしれません。
絵自体もキレイなので、性描写が苦手な人でも嫌悪感をもつことがないと思います。
なので、男性よりも女性の方にオススメしたい作品です。
ライター:とみぃ(20代女性)
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