百姓貴族│あらすじ&感想〜牛乳の廃棄から荒川弘のお父さんが死にかけた話まで〜
2016/05/06
作品情報
作品名:百姓貴族
巻数:4巻(連載中)※記事執筆時
著者:荒川弘
出版社:新書館
掲載紙:Wings
あらすじ
「水がなければ牛乳を飲めばいいのに」。マンガ家になる前は、北海道で七年間農業に従事していた荒川弘。牛を飼い、野菜を作り、クマにおびえ、エゾシマリスに翻弄される──。朝から晩まで年中無休で働く、タフでハードな仕事。でも読めばわかります。お百姓さんは、かっこいいのです!!あの『鋼の錬金術師』の作者がおくる、血と汗と笑いの知られざる農家エッセイ・コミック!!
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この記事の目次
「百姓貴族」の感想
「鋼の錬金術師」で一世を風靡した、荒川弘さんのエッセイ漫画です。
普通では見かけない農業という題材のエッセイ漫画ですが、これは実際に荒川さんの実家が農家で、漫画家になるまでその作業に携わっていたからこそのリアルな内容に、農業は未経験の私はただ驚くばかり。
作風もコメディ仕立てでとても笑えて読みやすいのですが、その内容は軽く流せるものから現実の農業や酪農の厳しさまで、びっしりと詰まった内容で読みごたえがあります。
特に、牛乳過剰による廃棄やバター不足、家畜として生まれたけど立つこともなかった子牛の末路は、胸に迫るものがありました。
それが現実なんだとわかっていてもとても切なく、厳しいものなんだと改めて感じます。
その反面、本来なら笑い話ではないだろう荒川さんのお父さんの何度も死にかけた話。そして身代わりで家畜が死んだくだりは面白すぎて、不謹慎かもと思いながらも笑うよりほかはなく、もっとも荒川さん自身がそういう風に面白く描かれているのだから、むしろ笑うべきなのかもしれないですが、ともあれ本当に大事に至らず幸いでしたと思う次第です。
農業といえば当然ながらそんなに楽なものではなくてかなり厳しいものだという印象はあるし、このエッセイでも農業を美化はしていないのですが、少しでも農業人口が増えてくれればと思ってしまいます。
そしてB級品メロン食べ放題と、冷蔵庫には牛肉が詰まっている。百姓貴族の生活が私自身ちょっとうらやましいなと思ったりしました。
ライター:室井静(40代女性)
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