潔く柔く│あらすじ&感想〜人の死を乗り越え成長していく人間の強さ〜
2017/02/26
作品情報
作品名:潔く柔く
巻数:全13巻(完結)
著者:いくえみ綾
出版社:集英社
掲載紙:Cookie
あらすじ
由麻は通学電車で痴漢に悩まされている。同級生のスワは由麻を守るため一緒に通学し、2人は付き合い始めることに。だが、由麻は毎朝同じ電車に乗る生物教師の梶間が妙に気にかかり…。
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この記事の目次
「潔く柔く」の感想
この漫画は1話完結のオムニバス形式でストーリーが展開していきます。
まずはじめの第1話は女子高生が教師に恋するという他愛のないお話しで、2話3話と読み進むうちに前の話の登場人物達が次の話にも出てきたりして、独立した話だけど繋がってるっていうのがおもしろく、話に惹き付けられました。
中学3年で事故死してしまった男の子の死と、小学校の遠足で暴走した車にひかれた女の子の死の独立した話をつなげてるのが、少女漫画なのに重いテーマで考えさせられたし、泣けます。
逆に少女漫画特有の甘過ぎ感がなくていいです。
登場人物たちが人の死を乗り越えて成長していく姿は、「人間」の生きる強さを目の当たりにするというか、こちらも頑張って生きようってパワーをもらえます。
登場人物は多いんですが、それぞれ個性的でくせがあるところが個人的にツボでした。
元々この漫画の作者(いくえみさん)の作品は好きで色々読んでるんですが、その中でもこの作品はとっても印象的でした。
いくえみさんの独特のセリフ回しも、そこかしこにあって良かったです。いくえみ稜ワールド全開です。
女の子のハートをキュンキュンさせる、俗にいう「いくえみ男子」もたくさん登場します。
重いストーリーだけでなく、少女漫画的なラブストーリーも見所になっていてgoodでした。
ライター:ミミ(20代女性)
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映画版「潔く柔く」
LINK「潔く柔く」スペシャルサイト
- 公開:2013年
- 主演:長澤まさみ・岡田将生
- 上映時間:127分
映画版「潔く柔く」の感想
年齢的にはこの映画の対象ではない気もしましたが、長澤まさみさんのファンなので劇場公開時に観に行きました。
予想通り浮いてしまいましたけど。笑
原作の漫画は読んでないんですが、全体的な印象としてはとても「雰囲気がいい」映画だったと思います。
幼い頃に大切な人をなくし、その死を自分のせいだと感じながら生きている2人を優しく包むような雰囲気が、画面から溢れていました。
カンナや禄ほどではなくても、誰でも心の何処かに自分では消せないトラウマを抱えています。
そのトラウマにずっと囚われて楽しむべき人生を楽しめないこと、トラウマを直視したくないが故に自分を偽って生きていくこと、誰もそれが間違った生き方だとは言い切れません。
でもいつかその苦しみや後悔から救ってくれるものと出会うのです。それがこの映画でも感じることができた「愛」です。
もしかしてその新しい愛も、いつかは別のトラウマを生み出すかも知れないにしても、いま目の前にある確かな愛によって人は救われる・・観ていてそんな気持ちになる映画でした。
実際に原作を読んだ人は、また違う感想があるのかなと思いますが、ひとつの映画としてはっきりとしたメッセージがあってよかったと思います。
ただ、それでも多少気になるとところはありました。
ややテンポが悪かったことと、回想シーンとは言え長澤まさみさんが15歳というはファンとしてもさすがに・・という感じ。
あと、出演されている方々が美男美女揃いでとても華やかなでしたが、個人的に一番いい芝居をしていたなと思うのは池脇千鶴さんです。
決して悪い映画ではないし、私のようなおじさんでも胸がキュンとなるシーンもあったので、DVDなどで幅広い世代の方に観ていただきたいと思います。
ライター:マサル(40代男性)