コウノドリ│あらすじ&感想〜出産をテーマにした多くの人に読んでほしい感動作〜
2016/05/23
作品情報
作品名:コウノドリ
巻数:13巻(連載中)※記事執筆時
著者:鈴ノ木ユウ
出版社:講談社
掲載紙:モーニング
あらすじ
出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
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この記事の目次
「コウノドリ」の感想
夫にも読んでもらいました!
ドラマ化もされた本作品。
主人公のコウノトリ先生は腕のいい産科医ではありますが、けして神のような力をもつ医者として描かれているわけではなく、ときには赤ちゃんやお母さんの命が危うかったり、子宮摘出を選択せざるをえない状況にも直面します。
とてもリアルで、心に響く内容です。私は妊娠中にこの漫画を知り読んでいました。
もうはじめから涙が止まらなくて大変でした。赤ちゃんが生まれてくることは本当に奇跡だと感じ、主人にもぜひ分かってほしいと思ったので読んでもらいました。主人も同じく感動していました。
一番印象深い話は交通事故にあった妊婦さんの話です。母親は命を落とすのと引き換えに、赤ちゃんは元気で生まれてきます。
ドラマでも取り上げられていた話ですが、原作のほうがより深く描かれているので、もうマジで号泣でティッシュが減りすぎてやばいです。
読んでからは交通事故には本当に気をつけて過ごしました。
また、高齢出産のリスクや口唇口蓋裂など、読んでいる人によく知ってもらいたいテーマもたくさん扱っています。
妊娠中に読むと不安になるんじゃない?と言われましたが、私は読んでおいてよかったです。というのも「コウノドリ」を読んだおかげで、健康に生まれてくるのが当然なことではないという意識が強く芽生えたからです。
ドラマは終わってしまいましたが、原作はまだ続きます。原作はドラマ以上に1つ1つのエピソードがしっかりと描かれていますので、ドラマを観ていた方もそうでない方も、読んでみてほしい作品です。
ライター:ななこ(30代女性)
子供を産めば誰でも母親になるけど…
産科医療の現場をテーマにした、鈴ノ木ユウ原作の漫画。
モーニングという男性向け雑誌で連載されていますが、出産をテーマにした本作が連載されているのは異例です。
医師でありながら、ピアニストであるサクラ(男)が主人公。妊婦をとりまく家族や環境をテーマに描いている本作。
出産を経験したことのある女性なら、激しく共感すること間違いなしで、2015年にはTBSでドラマ化もされています。
子どもを妊娠すれば誰でも妊婦で、子どもを産めば誰でも母親になります。
不妊治療10年やって、「40歳でやっと妊娠しました」という母親と、「ゴムなしでやっちゃったらできちゃった…どうしよう…」という母親では同じ母親でも全く違う生き物です。
それでも、世間一般的には「母親=聖母」みたいな幻想がうずまいていて、優しく子供のあとをついて語りかけ、笑顔で接しているのが当たり前だというふうに思われがちです。出産するまでは、私もそう思っていました。
でも、現実はそんなに甘くはありません。
育児はまた別の問題になりますが、出産するまでだっていろいろあるのが現実です。
「結婚してから1年ぐらいして子供産んで」とか「2人目は2才差で」とか思ってる通りに出産ができると思ったら大間違いなんです。
出生前診断の話も、高齢出産の話も、出産後にNICUスタートの子供の話も、全部リアルで嗚咽をもらして泣いてしまいました。
これまで読んだ漫画の中で、間違いなく1番心に残っている作品です。
ライター:ヲリン(30代女性)
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世の中はもっと妊婦に優しくなれる
産婦人科を舞台にしているので「出産って素晴らしい!」という内容のものかな?と思っていましたが違いました。
不妊治療や高齢出産、中高生の出産なども取り上げていて、安易に出産が素晴らしいと言っているわけではないようです。
「妊婦だからと特別扱いするな」とか「混雑した電車に乗ってくるな」とか言っている人には特に読んでもらいたい漫画だと思います。
妊娠することそのものが特別なことで、だれでもできるものではありません。
妊娠したら出産までの間、お母さんたちは命がけでお腹の赤ちゃんを守っています。お腹の赤ちゃんを守って命を落としたお母さんの話もあります。
つわりも人によってそれぞれだし、絶対安静にしていないといけないお母さんたちもいます。
どんなに望んでも、妊娠できない人もいるし、やっと妊娠しても出産までいけない人もいます。
読んでいて涙が止まらなくなるエピソードもいくつもありました。
結婚したら自然に妊娠して、つわりも軽くて、安産で…それが当たり前だと思っている人にはぜひ読んでほしいです。
妊娠するのも奇跡ですし、無事出産までおなかで赤ちゃんが成長するのも奇跡です。無事に出産できるのも奇跡です。
新しい命を生むことがどれほどの奇跡の積み重ねか、どれほど大変なことなのかがわかれば、世の中はもっと妊婦に優しくなれるんじゃないのかな?と、この漫画を読むと思います。
ライター:ひかり(30代女性)
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ドラマ版「コウノドリ」
- 放送:2015年10月16日〜12月18日
- 主演:綾野剛
- 話数:全10話
ドラマ版「コウノドリ」の感想
産婦人科のドラマということしか知らない状態で見始めましたが、ドラマが始まって本当に生まれてすぐと分かる赤ちゃんが登場したことにまずビックリしました。
今までのドラマや映画で見た新生児は、出産経験者という立場から言うと、どう見ても生後数週間は経っている丸々とした赤ちゃんばかりだったからです。
でもここでは明らかに生後数日かな?というような赤ちゃんばかりか、未熟児で生まれたため保育器に入る必要があるようなかなり小さい赤ちゃんの姿までが放送されていて、製作者のドラマに対する気合や本気度が見えました。
各回のテーマも未成年者の妊娠、喫煙をしている妊婦が胎児や母体に与える影響、口唇口蓋裂、未熟児など重いと感じるものでしたが、妊娠・出産を経験した人であれば他人事ではない、もし自分の子供がまたは自分がその立場だったらどうしただろう?などと考えさせられるものばかりです。
また母親だけでなく父親の葛藤もたくさん書かれていて、妻が亡くなって一人で子育てをするシングル・ファーザー、未熟児の子供に会うことが出来ない父親など、母親よりも親になる自覚がどうしても遅くなりがちだと言われている父親の姿にも泣けてきました。
両親だけでなく、産婦人科で働く医師や看護婦たちが日々直面する苛酷な医療現場の様子も描かれていて、現実に日々起こっている出来事だからこそ、このドラマを通じて色々な人に見てほしいなと思います。
正直このドラマほど、毎回確実に泣きながら見たドラマもありませんでした。
私には小学校低学年の息子がいるのですが、子供と一緒にドラマを見ていて子供なりに色々考えたこともあったようです。
ライター:モワ(40代女性)
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