ミスミソウ│あらすじ&感想〜いじめ・家族の死・復讐と重いけど読んでみてほしい〜
作品情報
作品名:ミスミソウ
巻数:全3巻(完結)
著者:押切蓮介
出版社:ぶんか社
掲載紙:ホラーミステリーシリーズ
あらすじ
廃校が決まっている田舎の学校に転校した春花。最後の卒業生となるクラスで春花を待っていたのは、鬱屈した環境の中、静かに狂い始めたクラスメイトによる陰惨なイジメだった――。
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「ミスミソウ」の感想
完全版の表紙の美しさに興味を持ち、書店で購入。
決して明るくはない物語と、独特の雰囲気が漂うイラストに惹きこまれ一気に読んでしまいました。
ただ、一気に読んでしまえる量だけど軽い気持ちで読むものではない、そんな物語です。
いじめ、自宅への放火、それによる家族の死・・・信じらないような辛い出来事が主人公の春花にいくつも重なります。
そこで彼女には「復讐」という感情が芽生えてしまうんですね。
悲しみや辛い経験から生まれたその彼女の気持ちは強すぎました。
彼女が復讐として取っている行動は恐ろしく、正直読んでいくのがきつい部分もあります。
しかしそれでもどうしても彼女が可哀想に見えてくるのです。
どんなにクラスメイトに復讐を試みてそれが成功しても彼女が報われることはない。
転校してきていじめが始まったその時から、ここでの彼女の運命は決まっていたと思わざるをえない。
それくらいに不幸で報われない主人公です。
全体を通して、人間の感情の強さ、汚さを感じます。
嫉妬、復讐心、周りからの評価を大切にしすぎる気持ち。
各々の感情が少し強すぎた。それだけで全てが狂い悲劇が生まれる。
人間の感情とは怖いものだと感じました。
いじめっ子が悪いのか、いじめられっ子に非があるのか、救わなかった先生が悪いのか、現実でもいろいろなところで問題になりますよね。
しかしそれぞれ自分が大切なのです。
何度読んでも「誰が悪い」とはっきり決めにくい、みんながどこか不幸で可哀想なお話で、少し過激な描写も多いですが、ただのグロ漫画として受け止めずに読んでみて欲しい作品です。
ライター:かりん(10代女性)
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