蟲師│あらすじ&感想〜1話読むたびに物語の余韻に浸れる漫画〜
2016/04/27
作品情報
作品名:蟲師
巻数:全10巻(完結)
著者:漆原友紀
出版社:講談社
掲載紙:アフタヌーン
あらすじ
この世はヒト知れぬ生命に溢れている――。動物でも植物でもない、生命の原生体――“蟲”。それらが招く不可思議な現象に触れたとき、ヒトは初めてその幽玄なる存在を知る。蟲とヒトとをつなぐ存在――それが“蟲師”たる者。
この記事の目次
「蟲師」の感想
激しいアクションでもなく、胸がキュンとする恋愛ドラマでもありあせん。
ただそこには「蟲」がおり、生きている人々が沢山の心の闇や苦労を抱えながら過ごしているというお話があります。
作者によって描かれる、独特の世界感がとにかく魅力です。
昔々の日本のどこかで起こったような…絶対に知らないはずなのにどこか懐かしい。そんな気持ちにさせてくれる作品が、大体1話完結で描かれています。
この世に存在しない「蟲」と人間の関わり方が、何とも言えず悲しくもあり、美しくもあります。
「蟲」は虫でもなく妖怪でもない。独特の形があってないようなもの、という発想がとても面白いと思います。
「蟲」により起こる様々な現象によって、人間が持つ汚い部分も炙り出されるように描かれており、「何が正解なのか」ということを毎回考えさせられる話も多いです。
主人公のギンコもとても魅力的で、白髪に緑色の瞳、いつも煙草を燻らせてどことなくいつもやる気のないような顔で彼が蟲と対峙する姿は、静かなのに見ているものをドキドキさせる魅力のある人物です。
彼の異様な出で立ちの発端となるギンコの過去も見どころの1つではないでしょうか。
1話読む度に、毎回物語の余韻に浸れるような漫画はあまりないと思います。
切なくて胸が締め付けられたり、ほっこりした気持ちになったりと本当に面白い作品です。
ライター:きみっこ(30代女性)
アニメ版「蟲師」
- 放送(第1期):2005年10月23日〜2006年3月12日、5月15日〜6月19日
- 話数(第1期):全26話
- 放送(第2期):2014年4月5日〜6月21日、10月19日〜12月21日
- 話数(第2期):全20話
アニメ版の見どころ
美術監督・脇威志が繊細なタッチで描く、古き良き日本の原風景は見る者の胸を打つ美しさ。ろうそくの灯りで照らされる夜のシーンなど、幽玄な雰囲気が漂う世界観が魅力。
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