リアル│あらすじ&感想〜生身の人間が絞りだす圧倒的なリアル〜
2016/05/22
作品情報
作品名:リアル
巻数:14巻(連載中)※記事執筆時
著者:井上雄彦
出版社:集英社
掲載紙:週刊ヤングジャンプ
あらすじ
自身の引き起こしたバイク事故により高校を中退、他人に一生残る傷を残してしまった罪に苛まれる野宮朋美。車いすバスケットボールの有力選手でありながら、我が強くチームメイトと上手くいかずにチームを抜けた戸川清春。自尊心が強く、交通事故で下半身不随になったことを受け入れる事のできない高橋久信。それぞれが向き合うREAL(現実)――。
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この記事の目次
「リアル」の感想
漫画の世界というと、「現実ではありえないようなスペックを持ち、ヒーロー的な扱いをされる主人公や、天才としかいいようのない登場人物が出てきて、紆余曲折がありながらも最後は必ず成功する」というイメージが強かった私にとって、読んだ時は結構な衝撃を受けました。
主人公は3人いるのですが、皆それぞれ苦悩を抱えていたり、どこに行き着くか分からない状態にいたりします。確かに、野宮や戸川はバスケットボールという生きがいや特技があり、高橋は何でもそつなくこなせる器用な人間です。
でもだからといって「成功しているのか?」というとそうではありません。
せっかく見つけた仕事もなくなり、バスケで生きていきたいのにトライアウトに落ちたり、仲間とうまくいかなかったり。普通の漫画なら根性や友情で解決しそうなことでさえ、漫画のタイトルでもある「リアル」を突きつけられます。
『漫画の中でまで現実を見たくない』という方もいるかもしれませんが、リアルだからこそ私には非常に心に響きました。
漫画のようにはうまくいかない、様々な困難や壁にあたるけど、それでも立ち向かっていく。でも、やっぱり落ち込んだり投げ出したくなったりする。
現実を生きる私達にも共感できる部分は多いように感じました。
思わず泣けてしまう名言も多く登場しますが作られた印象ではなく、生身の人間がしぼりだしたような言葉です。非現実的ではないところがこの漫画の良さだと思います。
人生にもがいていたり、悩んでいたりする方にこそ読んでもらいたい漫画です。
ライター:てるみー(20代女性)
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